デイブ・テイラー氏クリニック&指導者講習会

【「アメリカのジュニア育成の光と闇」 デイブ・テイラー氏の講演会、クリニック 】
Tokyo Skill Camp 2016で来日するデイブ・テイラー氏について、日本の指導者向け
の講演会を開催します!
「バスケットボールの家庭教師」で御馴染み、株式会社ERUTLUCさんとUPSETの共催であり、
4/3(日)13:30~@St Mary International school(東京都世田谷区)体育館が会場です。
アメリカの育成環境への警鐘を鳴らした書籍『THE A.A.U WASTELAND』の著者ならではの
鋭い分析や、問題点、また、高校やNCAAのコーチを経て、キャンプディレクター、NCAAの
スカウトが訪れる夏場の大規模トーナメントの運営、講演活動、書籍執筆の経緯や理念、
彼も師事するJohn Wooden氏との交流などについても語って頂く予定です。
また、3/30(水)には、株式会社ERUTLUCさん主催にて、東京都清瀬市内の体育館でジュニア
世代向けの実技クリニックも予定されています。
詳細、及び、申し込みは下記リンクより。
※Tokyo Skill Camp2016についても、まだまだ参加者を募集中です!
デイブ・テイラー氏による講演会 ( UPSET,ERUTLUC共催)
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4/3(日)
13:30~@St Mary International school(東京都世田谷区)体育館
テーマ
「アメリカのジュニア育成の光と闇」
・日本がこれからアメリカに学ぶべき部分、真似てはいけない部分は何なのか。
・ジョンウッデンの理念とアメリカの現状。日本への提言。
・アメリカにおける勝利主義のコーチと育成主義のコーチの違い
講師
DAVE TAYLOR(デイブ・テイラー)
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NCAA DIV1のAir Force Academyでプレーした後、California Polytechinic
State Universtiyで運動機能学の学位を取得。Templeton High Schoolで
コーチングをスタートし、地域の弱小チームだった同校を所属ディビジョンで
ベスト4へと導くなどで成果を上げ、Air Force AcademyでACとして仕事を得る。
同チームでも仕事をする中で、より幅広く選手の育成に関わる事業を興したいと
考えるようになり、様々なキャンプなどに関わり、若手の育成に尽力。
AAUのバスケットボールチームの指導と同時に、若手選手向けのキャンプを20年
近く開催。National jr.Phenom Campや、DoublePump Tournament、West Coast
All-Star Campなどの運営にも関わり、東京、オーストラリア、北京、シンガポールやデン
マークなどでもキャンプを開催し、世界各国で活躍をしている。
アメリカの育成環境への警鐘を鳴らした書籍『THE A.A.U WASTELAND』なども発刊。
DoublePump Tournament以外にも、NCAAのコーチやスカウトが訪れる様々な
トーナメントに関わり、講演などの実績も多数。
「勝利か、それとも育成か」(Winnings vs Development)というコラムでは、The Winning
Scenario、The Development Scenarioと区分し、圧倒的に後者を支持。育成を重視した
チーム運営やコーチングをする中での注意点や、コーチ同士のコミュニケーション、選手、
選手の父兄とのコミュニケーションの重要性を説いている。
UCLAの監督として選手の育成と勝利の両面で偉大な実績を残したJohn Wooden氏を
師として仰ぎ、彼の自宅を訪問して教えを受けた事があり、人生の中で最高の瞬間である
と興奮気味に語るなどの一面も。
ディブ・テイラー氏による実技指導(主催:株式会社ERUTLUC)
3月30日(水)選手クリニック /小学4~中学生男女(指導者の見学も可能です)
18:00~20:00@東京都清瀬市
指導テーマ:DAVE氏が日本のジュニア世代に最も伝えたい事
本件に関する問い合わせ
株式会社アップセット
担当 片岡 kataoka@upset-emg.com
(参考)
1、勝利と育成の関するコラム
Daveコーチのコラム
『勝利 vs 育成!』
育成することと試合に勝つことのどちらが大事かというのは、青少年・少女スポーツ界では
よく議論になるポイントだ。
少年バスケにはもう何年も関わってきているが、どんなに若い年齢層でもやはり起きる状況
は同じだ。私はこれを「勝利シナリオ」と呼んでいる。例とした11Uの層を取り上げてみよう。
もしコーチとして私ができるだけ勝利を挙げたいと思っているのであれば、最も得点能力に長
けた選手と最も身体能力の優れた選手を同時に起用する。当然ベストプレイヤーは優れた選
手なのでボールをもらう度に得点し、身体能力の優れた選手はスキルではなくその身体能力
で相手を圧倒できる。1試合平均10、11回くらいは見られる光景で、チームはほとんどの試合
を勝利することができるだろう。
では「育成シナリオ」を見てみよう。同じ選手が同じポジションでプレイしているが、単純に一番
上手い選手を1、2人起用してとにかくアタックして得点するんだと伝えるのではなく、ボールを
コントロールしろ、オフェンスを作れ、ディフェンスをしろ、基礎をしっかりやれと伝え、全力プレ
イをしない子はベンチに下げる。このシナリオでは私のチームは沢山の試合を落とすことにな
るだろう。では子供達にとってはどちらにシナリオをベストなのだろうか。
勝利シナリオ:この戦略は9U、U9、10U、11U、12Uレベルの選手には有効だ。13Uに達する
と、バスケットボールのプレイの仕方をしっかりと学べていないため手こずり始める。身体能力
を生かして相手を圧倒するという事しか学べていないからだ。13U以降のレベルでは、パスや
スペースを生み出すことが出来るチーム相手に終始振り回され負けてしまうことがほとんどだ
ろう。
育成シナリオ:この戦略はそれに適した文化をうまく作り出せているクラブでしか使えない。親と
子供に育成するというプランをしっかりとその組織とコーチ個人が伝え、説明している必要がある。
チームが負け続けながらも育成というシステムに子供たちがちゃんと付いてきてくれるにできる
かがチャレンジだ。数年経てば多くの試合に勝てるようコーチはしてくれているのだと親を説得す
るのに必要なことは何か。コミュニケーションだ!
育成シナリオを導入するにはコミュニケーションが必須だ。まず第一に、コーチング・ディレクター
が話してることは正しいんだと思わせてくれるような経歴が必要だ。次に、育成モデルが機能して
いるという記録が多少あるべきだ。すべてのケースでこれが可能でない事は理解している。となる
と、コーチング・ディレクターとコーチ個人は何度も何度も彼らの方針をコミュニケートし続ける必
要がある。クラブが育成する方針に入った以上、コーチたちはより競争性を増したいという気持ち
に引き込まれたりぶれたりしては絶対にいけない。敷いた道をしっかりと辿り、育成モデルを機能
させることに集中することが大切だ。
子供達にとってベストなアプローチはどちらか。個人的には常に育成シナリオを選択するが、この
プランを最後まで全うできるコーチ、ディレクター、クラブは少ない。我々は生まれつき競争心が高
いところがあるため、多くの人が辛抱強く育成に集中するのが難しいというのは驚きではない。
あなたはできるか?
<翻訳協力>
Bulls fan in japan http://bfij.net/ 
WINNING VS DEVELOPMENT!
An often-debated topic in youth sports is whether it is more important to develop talent or win
games.A common situation that I have experienced in my many years of being involved in youth
basketball happens at the youngest ages of the game. We will call this “The Winning Scenario.”
Let’s take the 11U age group as an example. As a coach if I want to win most games, I put the player
that can score the best and the best athlete on the floor at the same time. Obviously, the best player
will get the ball and score every time simply because they are a better athlete and the best athlete
just dominates based on athletic ability, not skill. This may happen ten or eleven times per game,
and the team will win most of the time.
Now let’s look at “The Development Scenario.” I have the same players lined up in the same positions,
but instead of coaching the best player or two to just attack and score, I tell them to control the ball run
an offense and PLAY DEFENSE and play with fundamentals and sit the child when he does not give
maximum effort. With this scenario my team loses most of their games. But which scenario is best for kids?
The Winning Scenario: This strategy will work for players at 9U, U9, 10U, 11U and 12U. When they reach
13U, they will struggle because these players will not have learned how to play the game of basketball.
They will have simply learned to out athleticize and run fast, getting by on their athleticism alone. After 13U,
when they come up against teams that have learned to pass and create space, they will end up chasing the
game the entire time and most often lose.
The Development Scenario: This strategy only works if the club has created the right culture. What this means
is that the Director of Coaching and individual coaches have clearly communicated the plan for development
to parents and kids. The challenge is to get players to stay with the development scenario even when the team
loses most games. What does it take to convince parents that a coach is doing the right things and that in a few
years the team will win the large majority of games—communication!
Communication is critical to implementing the Development Scenario. First, the Director of Coaching must have
the credentials that show that he or she knows what he or she is talking about. Second, there should be some
record of the development model working. Now I understand that this is not possible in all cases, which means
that the Director of Coaching and individual coaches must communicate their ideas repeatedly. Once a club
decides to coach for development, coaches must not waiver and get sucked into trying to be more competitive.
It is important to stay the course and let the development model work.
So which approach is best for kids? Personally, I always opt for The Development Scenario, but as I mentioned
in the beginning of this post, very few coaches, directors, and clubs actually stay true to this plan. We are all
naturally extremely competitive so it really is no surprise that people have trouble sticking to it.
Can you?
2、関連プロジェクト
・「なりうる最高の自分を目指す」環境を提供するため、
積極的に海外とのプロジェクトを進めているERUTLUCさんの取り組み
・弊社とERUTLUCさんとの過去のコラボ企画など
スペインバスケットを学ぶ勉強会(1)
スペインバスケットを学ぶ勉強会(2)
マドリードでのバスケットを通じた社会貢献活動について
・デイブ氏の来日に合わせて企画されている取り組みなど
Tokyo Skill Camp2016
https://www.upset-emg.com/blog/2016/02/stsamurai.php

セルヒオ氏による講演会

テーマ

『サンフェルミン地区でのバスケットを通じた社会活動について』

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サンフェルミン地区とは

セルヒオ氏が情熱を注いでいるのがマドリードにあるサンフェルミン地区と呼ばれる貧困地域でのバスケット
ボールを活用した社会貢献活動です。
サンフェルミン地区とは、マドリードの中でも貧困地域として知られています。2020年のマドリード五輪招致の
ネガティブな要因の一つにもなった事でも知られていますが、スペイン経済の不安定な社会情勢もあり、定職
を持てない人間が地域の30~40%を占め、40%近い子供が教育を続けられない状況に陥ってしまっています。
そこには両親がいない中で生活しなければならない子供も多く存在します。生死の問題を乗り越えたとしても、様
々な誘惑が飛び交う街です。また、そのような中で日々の時間を刻む子供たちにとって、人生は可能性に満ちた世
界ではなく、未来に対する希望を失い、その結果、自分自身に対しても自信を失うケースも非常に多いようです。
また、その地域の出身というだけで、周りの地域からは特異な目で見られてしまうという偏見との戦いも存在します。
バスケットを学びのツールとして活用
セルヒオ氏は、スペイン北東部のサラゴサで生まれ、バスケットボール競技に励み、その後、ジャーナリストとして活躍。
その後、スペイン南部のマラガでも育成コーチとして活動。非常に幅広く、奥行きのあるキャリアを積んでいます。
バスケットに携わりながら日々を過ごす中で、セルヒオ氏は、バスケットボールの可能性を強く信じるという考えを持つ
ようになりました。具体的には、バスケットボールには、人々の生活の質を改善し、幸せを与え、社会的な成功を収める
為の学びのツールであるという考えです。
また、セルヒオ氏はこうも言います。
「子供達がスポーツをしている時間は、悪い誘惑から遠ざける事ができる。夢中になる時間は、辛い事を思いださなくて済む」
これは日本国内でバスケットボールを社会性向上や教育的な価値を感じて取り組んでいらっしゃる方でも数少ない、サン
フェルミン地区ならではの考え方のようにも感じましたがという事もバスケットボールに取り組ませる事の意義であるよう
です。

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重要な価値観を伝える
その地で、3年前に15人からスタートし、現在では120人の子供がセルヒオ氏のコーディネートの元でバスケットボール
に励む環境を作りました。
試合に勝つ事でもなく、また、将来のスーパースターを育成する事ではなく、前述のとおり、サンフェルミン地区に住む子
供に、バスケットボールをプレイする環境を与える事、そして、彼らを悪い生活から遠ざける事を目指し、このプロジェクトは
進められています。
セルヒオは、人生の中で有益であると考えられている価値観の多くをバスケットを通じて子供たちに伝える事が出来ると信じ
ています。
それは例えば、単純にバスケットボールを楽しむ事。同世代の人間と知り合い、友達になる事。自分に対して自信を持つ事。
社会的な素養を身に付ける事、仲間と結束する事、目標に向かって取り組む事、敬意を持つ事、努力、スポーツマンシップを
学ぶ事です。
ACBの試合観戦をする機会など
現在、120人の中から、2チームが地域のリーグ戦に登録をし、他地域のチームとも試合に励んでいます。残りの選手は、単
純に、バスケットボールをプレイする事を楽しんでます。バルセロナにあるスポンサーの支援により、子供は無料でバスケット教
室に参加する事が可能となっています。バスケットボールを競技する事は楽しいという評判が広がり、サンフェルミン地区の多く
の子供が参加するようになりました。このような教育的なプロジェクトは、同地区において、現時点ではバスケットボールだけで実
施され、成功しているようです。
また、エスティディアンテスの支援や理解により、スペイン一部リーグACBのレアル・マドリードとエスティディアンテスの試合観戦、
車椅子バスケットボールの試合観戦をする機会なども与えられます。
セルヒオの想い
象徴的なエピソードを紹介します。他地域のチームと試合をするリーグ戦に参加した際、相手チームの選手が試合中に転倒して
コートに倒れるというシチュエーションがありました。その瞬間、サンフェルミン地区のチームがルーズボールを奪い、そのまま攻撃
に転じる事も出来たのですが、サンフェルミン地区の選手は、攻撃に転じ、その隙に得点をするのではなく、転んだ選手に手を差し
伸べ、助けました。
その行為はサンフェルミン地区出身というだけで偏見を持っている方々の色眼鏡を変えました。そして、この時の選手の振る舞いは
セルヒオにとっても非常に感銘深い場面となったようです。
彼の夢の一つは、自分がいなくなってもこのプロジェクトが続き、多くの子供たちに教育的な機会を与え続ける環境が存在し続ける
事。また、この地で育った選手が、サンフェルミン地区のコーチとしてこの地に戻ってくる事。そして、コート上で転んだ対戦相手に対
し、救いの手を差し伸ばせる選手を育む事。
セルヒオはこうも言います。
I learned long time ago that you can not always win in sports.Neither in
life.The important thing is not to beat another,but how you make the journey.
i want to tell a story. 
※原稿記事より一部引用
世の中は、成果や結果によって判断される事が多い。パウ・ガソルやカルロス・ナバーロの事は、日本のバスケット愛好
家も、スペインの人も多くの人が知っている。それは彼らが勝者であるからだ。
スポーツの世界では、常に勝ち続ける事は出来ない。それは人生でも同じである。その事を、セルヒオ氏は学んだと言い
ます。そして、重要な事は、相手を打ち負かすことではなく、どのように自分自身の旅(journey)を歩んでいくか、である。
また、会の最後には、サンフェルミン地区で子供たちが「Harlem shake」を踊っている様子が紹介されました。どの子ど
もも、無邪気にはしゃぎ、嬉しそうな笑顔が飛び交う中、セルヒオの話は締めくくられました。
コーディネーター富田さんのHP
スペイン企画についての紹介ページ

 

 

 

 

 

 

 

 

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