井上涼上馬  TTC 2016 Supported by UPSET 主催者

【TTC 2016 Supported by UPSET】
TTC 2016 Supported by UPSET の選手、スタッフの活動紹介。
主催者&チーフディレクター
株式会社PHYSIOFLEX代表取締役
井上涼上馬
1978年生まれ、沖縄県浦添市出身
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■機会に恵まれない選手をサポート
「機会に恵まれない選手に、オフシーズンでもストレングス、メディカルの両面でサポート体制の整った環境
でトレーニングをさせてあげたい」
2011年の東日本大震災後、プレー環境を失った選手と交流を進める中で抱いた思いが、TTCの原動力であ
る。
「何をやるにも3年間は続けないと一過性になってしまい、バスケ界の底上げに繋がらない」
周囲にそう話し、予算繰りなどを調整して続けてきたプロジェクトも、3年を超える4年目に突入した。国内外のプ
ロ選手にオフの充実した環境を提供する事に加え、玉川大学の学生選手にプロとの経験を通じて何かを感じ取
り、貴重な部活動生活の糧にしてほしいと考え、積極的に選手への告知も進めてきた。
▼4年目の取り組み
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TTC1回目の時点で1年生だった選手は、今年で4年生になった。もちろん、玉川大学バスケ部の指導方針や、
契約トレーナー、何よりも選手自身の努力の賜物であるが、初年度とは見違える身体つきになった選手も多い。
初年度を知らない世代の選手にとっては、入学した時点で、毎年、6月頃にはプロ選手が訪れる環境が毎年の
恒例行事となっていった。玉川大学のスタッフ、選手からも井上氏に感謝の言葉が並ぶ。
「学生からも感謝の言葉を頂けて非常に嬉しいです。ただ、、学生にとっては、それが当たり前で、恒例行事と
思ってくれれば、それに勝る喜びはない」
本企画は、玉川大学バスケットボール部の最大限の理解と協力の下で成立している為、井上氏も同大学へ
感謝の言葉を述べつつ、「学生にとっては、(プロ選手と対戦機会がある事なども)当たり前と思ってくれるぐらい
が嬉しい」と井上は涼しい顔だ。何よりも、可能性に満ちた学生が、モチベーション高く取り組む、その一瞬、一瞬
を大切にしたいという。
「フィジカルコンタクトの重要性がナショナルチームからの叫ばれ、日本全体で強化をしている時代の流れもあります
ので、TTCの功績だとは言うのはおこがましい」と前置きしつつ、「それでも、春のトーナメント、新人戦が終わって、少
し目標設定が宙ぶらりんになりがちな時期に「プロ選手を倒してやろう!」というモチベーションがフィジカルトレーニン
グの動機づけの一つになっているのであれば、こんなにうれしいことはない」と目を細める。
▼2面同時にゲーム開催を通じて、さらに密度を濃く
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当初は1面で開催していたピックアップゲームも、今年は2面で同時開催をした。これまで玉川大Aチームの選手のみ
だったが、今年はBチームの選手もプロ選手と対峙する機会を得た。10×6本の試合数の中、Bチーム選手の割り当て
は後半の2本。Aチームがゲームをしている際、Bチームの学生同士で固まり、食い入るようなハングリーな視線でコート
に視線を飛ばしていた姿が印象に残ったという。
「彼らにとっては、プロチームでもなんでも、とにかくAチームに入りたい、チーム内でアピールをしたい、そういう思いも
あったのではないかと思います。実際、(プロ選手が連戦の影響で疲労があった部分があるとはいえ)、Bチーム選手
のゲームに挑む姿勢や闘争心は素晴らしいものがありました」と、主催者でありながら、当日は各セクションで担当者
に任せる裏方のプロデューサーとしての満足げな表情を浮かべた。
▼プロ予備軍への機会創造も視野に
プロ選手の参加者が増えた分、過去、数名参加していたような、プロ予備軍、プロを目指す若手選手に提供できる枠
数がどうしても減ってしまった。
「嬉しい悲鳴なんですが、そこはしょうがない部分もある。上を目指す選手には、様々な情報を集め、練習を重ね、目標
達成をしてほしい。」
同時に、今後の構想として、6月下旬同様に、大学のシーズンが空き時間になる11月下旬~12月上旬にも合同トレーニ
ングキャンプの構想に着手しているという。インカレに出場しない大学にとって、リーグ戦後のオフが終わり、チームが再
始動する時期だ。多くの大学は、この時期に大会がなく、目標設定が難しくもある。同時に、例えば、次年度から実業団や
、Bリーグでのプレーが決まっている隠れた逸材や、競技者としての夢を追い続けたい選手とを組み合わせることで、翌
シーズンに向けた環境作りが出来るのではないかという考えもあり、実現の可能性について考え中であるという。
▼若手コーチが実戦経験を積める場にしたい
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さらに、プロ選手のピックアップゲームを総括するコーチの役割についても、TTC2016に参加した尺野コーチからの提案が
あった。BリーグなどでAC、スカウティングを担当している若手プロコーチで、将来的にHCを目指すコーチに実戦経験の場
を与えてはどうか、というものだ。
「海外では、オフシーズンのリーグなどで若いコーチがHCとしてチームを率い、将来に向けた準備をする環境がある。そう
いう場は、多ければ多いほど良いはずだ。ACやビデオコーディネーターとしてバスケットの知識を蓄えている若いコーチ
と、実際に選手を束ね、総括する立場の違いを、ACをやっている時期に体験できるのは大きい」
この考えに、井上も、賛同の意を表する。
「始まりは、選手にとって良い環境を作ること。その為の賛同者や、関わる人を募る中で、すべての人がhappyになれ、バ
スケ界の活性化につながることはドンドン仕掛けていきたい」と語る。
▼TTCの派生イベントとして
TTCの特徴の一つは、井上の故郷でもある沖縄県出身のトレーナー仲間が多く協力をしてくれることだ。最近では、沖縄の
メディアからも注目を集め、また故郷に帰省した際には、プロ選手の合同トレーニングキャンプ運営のノウハウを生かした、
バスケットボール振興のプロジェクトについて相談を受けることも多い。
また、TTCの関連イベントも増えてきた。沖縄県のZion Christian Academy International Schoolでは、TTCのコアス
タッフである島袋彩乃トレーナーと、高校バスケ部側とでお互いの理念で一致。日米の高校生選手が、専門家の指導で、
ともにトレーニングをする企画(Zion Training Camp supported by UPSET)も7月上旬に実施された。
自身も、関東での活動やコネクションを生かし、沖縄県でのバスケ振興活動に積極的に取り組んでいる。「故郷である沖縄の
バスケットのサポート、最初は交流のある選手のサポートの為にスタートしたTTC、大きな夢を持ちつつも、足元や、手の届
く範囲を大切にし、一つ一つ、自分のできることでバスケット界に貢献していきたいです」。
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<参考記事>
バスケット・カウント掲載記事
プロ選手のための合同トレーニングキャンプが玉川大学で開催される
TTC主催者のビジョン(UPSET内ブログ記事 2014年6月)
株式会社PHYSIOFLEX

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